· 

工業団地開発で説明会

西隣、美登里町の土地区画整理事業も手掛ける㈱ビルド21を開発事業者に、石川建設㈱と㈱イトーが共同事業者に加わり、2027年3月に着工。中電の子会社・日本エスコン㈱とビルド21が主にネット通販向けのレンタル倉庫を建設することになっています。

 この24日(土)には、用地の農振除外申請を前に元宮町自治会主催の事業者説明会を見付交流センターで開き、総面積が東京ドーム25個分となる大規模プロジェクトの概要と今後の諸手続きや工事スケジュール、開発に伴う地元や周辺の生活環境への影響などについて話し合いました。

 大規模開発には住民の利害と賛否が分かれ、とかく感情の対立なども生みがちですが、今回、特筆したいのは、地元に計画が伝わった早い段階で「自治会長のOB会」を立ち上げ、任期一年と経験の浅い自治会3役をさまざまな面からサポートできたことです。事業各者や地権者、市の担当者、開発区域の住民らを順次OB会に招いてヒヤリングを重ね、計画の全体像と地元の反応、今後の手続きの確認などを通して、①正確な情報が伝わらないまま計画が進み、住民の不安や要望が置き去りにされかねなかった事態を回避することができました。また、②急傾斜地が開発区域にかかることで、昨今の大雨のたびに公会堂への避難者受け入れを続けている土砂災害警戒区域が解消する見通しも立ちました。さらには、③事業者側との粘り強い折衝を通して、開発に伴う数々の要望事項を、協定書の締結という後の世代に残る形で集約することができました。

 

 司会進行を務めた説明会では、50人近い住民が参加、事業者側との質疑応答を通して新たな要望も加わりました。26日には臨時役員会を開き、協定書の最終案を了承し、役員会として計画への同意を決定、通告したそうです。

 年々リスクが高まる土砂災害警戒区域の指定解除という町民共通の願いと、地権者全員の土地譲渡の同意を受け、自治会の助っ人として登場したOB会。たとえ役員任期が1年であっても、いざというとき、まだまだ現役の自治会長経験者が集まり、それぞれの知識と経験、人脈を生かして底力を発揮する。「小規模多機能自治」の一つの実験がうまくいったのでは自負しています。